世界大会当日でさえポケモンの相性が覚えきれていませんでした
ポケモン初心者の僕が世界大会に出場するために発見ポイントをこの記事に書いてみます。
この記事からポケモンはもちろん他のゲームでも、もはや勉強にまで活かすことができる一貫した考え方を伝えられると思いますので、ぜひ全5章楽しんで見てください!
第1章 2021年11月19日の扉
第2章 オリジナルな発見はオリジナルな実験装置によってこそ生まれる
第3章 75位
第4章 構築の極意
第5章 そして世界へ
それでは!
第1章 2021年11月19日の扉
2021年11月19日。ダイヤモンドパールのリメイク版が発売開始日。僕の小学時代を代表するポケモン世代のリメイク版が発売された。小学生の僕はDSや3DSを持っていなかったので、ただただ楽しくアニメを見ていた小学生だった。そのため、ゲームのポケモンはやったことがなく、この日を楽しみにしていた。その当日、僕はシャイニングパール(パルキア版)を、友達はブリリアントダイヤモンド(ディアルガ版)を購入し、まさにこの日にポケモンの扉が開かれた。それから何週間も没頭し、色違いポケモンと出会ったのはとても楽しかった。友達はポケモンがとても詳しく、一緒に対戦しようと勧めた。この時、ポケモンバトルというものを始めて対戦した。しかもそれはダブルバトル。ダブルバトルとは自分が2体,相手も2体のポケモンを繰り出し、自分の2体を最大限活躍させ、如何にして相手のポケモンを倒すかがとても大事なバトルだった。2体とも集中攻撃するもよし、片方は守りの態勢を取るもよし、無限大の選択肢から良い手を打つ将棋のような戦略ゲームの感じがした。もちろん友達には勝てない。今でも覚えている。カポエラーの”猫だまし”で何もできずに倒される僕のボーマンダ。僕が攻撃しても、いとも簡単にポケモン交代で盤面を整える友達。その友達に勝つために試行錯誤を繰り返した。そこで生み出した僕のポケモンはケッキングとカクレオン。ダブルバトルでは戦術の要の2体のポケモン連続して呼ぶことがある。まさに、ケッキング・カクレオン。ケッキングのデメリットな特性をカクレオンのポジティブな特性と入れ替える戦略。この戦術が上手く機能したため最強のケッキングが誕生し、初めて友達に勝つことができた。ポケモンを始めて間もない僕にとって、とても嬉しい勝利であり、よりダブルバトルの世界の魅力に惹かれた。
第2章 オリジナルな発見はオリジナルな実験装置によってこそ生まれる
ダイヤモンドパールのリメイク版を概ね2か月間やり尽くし、年を越した2022年。現行のポケモンタイトルは第7世代のソード&シールド(通称,剣盾)だった。「来月、ポケモンのダブルバトルの大会があるから出よう!」友達が僕を誘った。その時友達は僕にある動画を見せてきた。そこにはボーマンダとガブリアスとバンギラスに囲まれるパチリスの姿があった。なぜそこにパチリスがいるのか意味が分からなかった。詳しく聞くと、2014年世界大会の動画だった。ポケモンに詳しい方は知っていると思いますが、これがかの有名な”セジュンのパチリス”。セジュンのパチリスを知ったみんなが感銘を受けるように、僕も同様に感動した。どんなポケモンでも育て方次第で大活躍する。この育て方にはオリジナリティが詰まっている。そこには理系大学生の僕にとって通ずるものがあった。過去の物理学の分野を先導してきた偉人に共通する言葉「オリジナルな発見はオリジナルな実験装置によってこそ生まれる」。僕はここでいうオリジナルな発見とは成功を手にすることだと捉えた。つまり、オリジナルなパチリスこそが世界大会優勝を実現させたのだと。この時僕は成功するためのカギはゲームに限らず、世の中に共通して存在するのではないかと思った。独創性の重要さに気づき、常に独創性を意識するように心掛け始めた。実際に僕の世界大会出場の大きなカギとなったことは言うまでもない。
第3章 75位
2022年のポケモン世界大会の概要は全国予選に出場権利が与えられるオンライン大会が2月から5月まで毎月開催されていた。2月から4月は上位30人、5月は上位60人の4大会計150人が全国大会の出場権利が与えられるという大会方式だった。その当時2月は全国大会にはあまり興味がなく、参加するだけで参加賞をもらうだけだった。ポケモン公式の主催大会だったため、参加するだけで色違いの特別なポケモン(ガラル3鳥)がもらえたのだった。記念にもらっておこうというだけの気持ちだった。僕みたいな人も多数いたためか、この2月大会の参加者数は32万人越えを記録していた。ポケモンには公式大会以外にも毎月ランクマッチという順位を競うイベントが開催されている。オンライン対戦であり、勝ったらポイントを貰い、負けたらポイントを失う形式でポイントに則った順位を競うイベントである。僕はこのランクマッチで最高階級であるマスターボール級に到達することを第一目標として2月は励んでいた。それから1か月後の3月大会。結果は7625位だった。結果は不十分であるが、確かに手ごたえを感じた。それはこの大会から僕はヤレユータンを使ったことだった。僕はオリジナルなヤレユータンを生み出したのである。それから1か月後の4月大会。結果は2067位。先月から順位は伸びているものの上位30人には到底及ばない結果である。当時の自分の中では上位30人を本気で狙っていたかと言えば、難しい。ただ自分の全力をぶつけた戦いをものすごく楽しんでいた。加えて翌月の5月大会ではこれまでの大会の2倍の人数である60人に全国大会出場権利が与えられることに期待していた。最後の5月大会までに僕はランクマッチを何百試合もし、4月のランクマッチを92位で締めくくることができた。所謂2桁フィニッシュを達成した。次の5月大会の予選突破が現実的に期待できるようになった。終にやってきた5月大会。全国大会出場権利が60人に与えられる最後のチャンス。説明不足だったが、この大会は3日間で行われ、最大45戦対戦することができる。まず大会初日15戦対戦した。14勝1敗の好成績を叩き出した。2日目は12戦対戦し、10勝2敗だった。二日までの結果は合わせて24勝3敗で1位だった。あり得ないほどの素晴らしい結果に満足しそうだった。それでもまだ2日目。上位60人に入るポイントの最低値、いわゆるボーダがわからないため、他のプレイヤーも最終日になるにつれてどんどん順位を上げていくため、僕の順位はどんどん抜かれ50位を記録したことを覚えている。50位は確かに上位60人に入っているが大会終了時間間際に順位が著しく変動することが予想されていたため、決して油断できなかった。安心しようともう1回でも勝てば絶対入選できるだろうと対戦をしたら負けた。それから2連敗も喫した。最終日に同じ順位の人はみんな同じ気持ちであることは間違いない。それでも功を奏し、最後の最後に4連勝することができ、最終日は7勝5敗で終わった。結果は31勝8敗で75位だった。上位60人に入ることができなかった。それでもまだ望みが残されていた。過去3大会で全国大会の出場権が与えられた人や日本国籍以外の人を除いて上位60人に入ればよかったからだ。結果75位でも全国大会出場権が与えられた。
第4章 構築の極意
僕は全国大会出場権利を獲得した。予選で使ったポケモンを紹介する。ポケモン対戦経験者であれば変なパーティーだなと感じるかもしれない。当然、僕はまだポケモン対戦を始めて6か月の言わば初心者に違いない。そんな初心者が全国大会出場できた構築づくりの極意を教えたい。ポケモン対戦の専門用語を多用してしまうが、対戦ゲームの本質を伝えようと思うので、ぜひ読んでほしい。
まず初めに、僕みたいな初心者はタイプ相性を覚えきることができない。ポケモン相性がわからないと、相手のポケモンの攻撃技のタイプがわからず、自分のポケモン受けることができるのかを判断することができないからだ。つまり、ポケモンを交代できない。ポケモンが交代できないのであれば、交代しなくても良いポケモンを使うしかない。それがソルガレオだった。ソルガレオは特性で相手からの能力変化を受けつけないというものだった。物理アタッカーの弱点である”威嚇”(相手の攻撃をダウンさせる効果)を受けつけないため、その場に居座ることができる。
次に、対戦歴に差がある相手と戦うと長時間の対戦は不利になり得る。経験豊富なプレイヤーほど手数を掛けられるほど勝利に繋げることができる。それ故、そのようなプレイヤーは手数を掛けられるような構築(耐久性の高いもの)を作ってくる傾向がある。反対に、僕みたいな経験の乏しいプレイヤーは手短に勝利に繋げる必要がある。それではどうしようかと、ありとあらゆるポケモンを調べ尽くした。そこで見つけたのが”じならし”(地面技で全員の素早さをダウンさせる効果)と”弱点保険”(効果抜群の技を受けると攻撃がアップする)。“ソルガレオと”“じならし”はソルガレオの特性からソルガレオは素早さをダウンせずに相手のポケモン2体の素早さをダウンさせることができる点で相性が良い。続いて、“ソルガレオ”と”弱点保険”はソルガレオの特性から上昇した能力が下げられないことから一度でも上がった能力を維持することができる点で相性がいい。また、 ソルガレオについては地面技が弱点なので、“じならし”で“弱点保険”が起動できる点に気づいた。つまり、“ソルガレオ”と“弱点保険”と“じならし”は3つのセットでとても相性が良いことに気づいた。これが実現すれば最強のソルガレオを誕生させることができるのではないか。これはケッキング・カクレオンから最強のケッキングを誕生させたことと通じるものがある。それでは誰が “じならし”をするのかが問題として生じた。その条件としてあげられるものは、ソルガレオ以外のポケモンの素早さをダウンさせるためスカーフ(素早さアップさせる道具)を持たずにある程度の素早さが見込まれるポケモン。できるだけ相手の猫だましの対象となりえにくいポケモン。素早さの高い伝説ポケモンであった黒バドレックスやザシアンの攻撃を耐えることができるポケモン。この3条件を満たしたポケモンがヤレユータンだった。スカーフを持たないという条件に反するように思えるが、ここには一つの発見があった。それはヤレユータン固有の特性である“強制”にすることで味方の道具(“弱点保険”)を失った時に自分の道具を味方に移動させることができる。つまり役割を終えたときにはスカーフを所持していない状態になる。こうして一つ目の条件である素早さはスカーフを持つことで最速100族を抜くことができた。つまり最速100族以下のポケモンよりも先手を打てた。次に、ヤレユータンの特性は3つあり、その1つに“精神力”があるため、猫だましを受けにくい。実際に使った特性は“強制”であったが、相手目線そのことを知る由はない。最後の条件として、黒バドレックスの技はタイプ相性で運よく無効であり、ザシアンの巨獣漸耐え調整にすることでできたため条件を満たした。この3条件をクリアしたポケモンがオリジナルなヤレユータンだった。
このように、問題を提起し、細分化することで解決することがわかった。そこには自然とオリジナリティが加わることもわかった。このことはポケモンだけに限らず、他のゲームでも自分の客観的な能力を判断することで問題が提起される。自分の高校生で得意であった数学もとても似ていることに気づいた。数学では与えられた問題を自分の解決できるレベルまで細分化することで解くことができる。そこで僕はたかがゲームと思えなくなり、何事も順番に問題を解決していくことが大事であり、その問題を如何に自分と照らし合わせて細分化できるかがポイントだと感じた。
最後に他のポケモンは、素早さの高い黒バドレックスと先制技を持つゴリランダーを選んで概ね構築は完成した。

第5章 そして世界へ
全国大会出場権を獲得してからずっと頭の中はポケモンでいっぱいいっぱいだった。まさに容量オーバ。当日までに何度か吐き気を及ぼすほどポケモンで頭がいっぱいだった。プロでもないアマチュアでさえ、こうもなってしまうのだから、これっきりたかがゲームだとは思えなくなるほどだった。待ちに待った6月11日。ポケモン全国大会が幕張メッセで行われた。自分の用意してきたことをするだけ。そういう気持ちだった。ポケモン対戦では、自分の構築を作ったら後は対戦相手のポケモンを想定して自分の行動を考える必要がある。対戦相手がどのポケモンを使って、どんな技で攻撃してくるかなんて、対戦が始まるまでわからない。しかし、対戦相手となりうるポケモンを想定して、自分の解答を用意する。この繰り返しを極限までやり尽くすことがとても大事だった。これもまた高校生で好きだった数学にとても似ていた。数学でも同様に出題される問題はわからない。試験で問題を見るまでわからない。それでも、どんな問題が出題されても良いように、事前に様々な想定の中で自分なりの解答を用意して挑む。そして、用意してきた解答を組み合わせることで自分の答えを導く。まさに、ポケモンで勝つための準備とまったく同じだった。
今大会はスイスドロー方式を採用しており、勝ち数と負け数が同じ相手と対戦する方式だった。この方式には感動した。常に自分と同じ境地の相手と対戦することだった。全国大会は150人で開催され全6試合予定された。上位33%である50人に世界大会出場権が与えられることが伝えられていた。つまり、6戦中4勝以上の人世界大会に出場できることだった。初戦は負けた。僕は0勝1敗で大会が始まった。ちなみにダブル界では有名なキヌガワさんに負けた。世界でも結果を出すような人と戦えたことが嬉しく、負けたけれどテンションが上がった。これが全国大会だと。初戦の負けはこの大会方式だととても難しいけれど、負けを引きずることなく4連勝し、4勝1敗になった。やったー!実質世界大会出場権利の獲得!6戦目の最終戦は負けたが全国大会4勝2敗で全国38位となり世界大会出場権利を獲得した。自分も全力で頑張った分、この会場のみんなの熱量には感動した。自分なりのルーティンとしてぬいぐるみを持参している人や対戦中に声を張り上げる人もいた。こんなに素晴らしくみんなが熱狂している会場で自分も全力で対戦できたことがとても嬉しく誇らしく感じた。そして2か月後の8月、イギリス,ロンドンでの世界大会に出場してきた。
以上です。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
読んでくれた全員に可能性があることを伝えられたかなと思います。
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改めまして、ご精読いただきありがとうございました。